ジョージアの素晴らしい自然
ジョージアの自然:おとぎ話のような風景と温泉療法の国
ジョージアの自然は、驚くほど多様な地形と豊かな動植物相を誇ります。この国は、北の大コーカサス山脈と南の小コーカサス山脈の間に広がり、黒海に面した地域に位置しています。国土の約3分の2を山岳地帯が占めており、西部にはコルキス低地、東部にはイメレティ、カルトリ、カヘティといった歴史的地域に広がる肥沃な平野が広がっています。
国土のおよそ3分の1は森林に覆われており、特に山間部に多く分布しています。東部の丘陵地帯では針葉樹林や亜寒帯林が見られ、西部では黒海沿岸に沿って広がる温暖湿潤な森林地帯が特徴的です。この地域には、高山・亜高山帯の草原、希少な薬草類、亜熱帯雨林、そして氷河期の生き残りであるレリック・パイン(遺存種のマツ)などが見られ、極めて多様な植生が観察されます。
ジョージアには2,600種以上の菌類を含む多様な植物相が自生しており、固有種も多く存在します。中でも注目すべきは、果物や野菜が豊富に実る肥沃な土地と、世界最古のワイン文化のひとつを築いたブドウ栽培の伝統です。考古学的な発見によれば、ジョージアでは8,000年以上前からワインが製造されていた可能性があるとされており、この地はまさにワイン文明の揺籃の地でもあります。
ジョージアの自然の大きな特徴の一つは、約25,000本の河川およびその支流から成る広大な河川網です。これらの河川は、主に雪解け水、氷河水、地下帯水層、大気からの降水によって供給されています。中でも最も長い川は、ジョージア語でムトゥクヴァリと呼ばれるクラ川で、トルコ東部を源流とし、ジョージアとアゼルバイジャンを経て、カスピ海へと注ぐ全長1,364kmの大河です。
森林地帯の動物相は特に多様で豊かです。様々な地域で、コーカサスシカ、コーカサスヒョウ、ノロジカ、イノシシ、ノウサギ、リス、ヒグマ、オオカミ、ジャッカル、アナグマ、オオヤマネコ、キツネなどが確認されています。高山地帯の動物相は、大コーカサス山脈において特に良好な状態で保たれています。例えば、クバン野牛(野生牛)はダゲスタン西部からジョージアとの国境付近にかけて生息しており、シャモア(カモシカの一種)は広く分布し、ジョージア東部ではベゾアールアイベックス(野生のヤギ)も見られます。
さらに、ジョージアには2,000を超える鉱泉、温泉、そして治療効果のある泥の堆積地が存在しています。これらの自然資源は、息をのむような美しい景観の中に広がる温泉療法リゾートの基盤となっています。