ヒサール山脈
ウズベキスタン南部には、国の高山地帯であるヒサール山脈が広がっています。この山脈の大部分はタジキスタンに属しており、最高地点は両国の国境付近に位置します。ウズベキスタンの最高峰であるハズレト・スルタン山(標高4643メートル)も、この山脈に属しています。さらに、ウズベキスタン領内にも標高4000メートルを超える山々が点在しています。地形は東から西へ向かうにつれて変化し、丘陵地帯のなだらかな斜面が、次第に壮大な岩山へと姿を変えていきます。
それに加えて何百万年もの間、ヒサール山脈を流れる河川が、地表に巨大な峡谷を刻んできました。ウズベキスタン領内に位置するヒサール自然保護区は、国内最大の自然保護区であり、多種多様な動植物が生息しています。この保護区には、レッドブック(絶滅危惧種リスト)に掲載されている天山ヒグマ、ユキヒョウ、トルキスタンオオヤマネコ、イヌワシ、クマイ(ワシの一種)などの貴重な動物が生息しています。また、植物相も豊かで、ジュニパー(ビャクシン)、カエデ、トネリコの森林が広がり、さまざまな種類のハーブや野生の花々が咲き誇る広大な草原が広がっています。
また、ヒサール山脈には、数多くの歴史的および自然の名所が存在します。しかし、主要な観光ルートから離れており、インフラの整備が不十分なため、観光地としての知名度はそれほど高くありません。この地域で最も有名な観光スポットには、タメルラン洞窟、テシク・トシュ洞窟、バイスン村、マイダナック天文台(近代的なアルプスの展望台)のようなものがあります。さらに、訪れる旅行者は、クラサイ渓谷の壮大な風景を楽しみながら、恐竜の足跡の化石やその他の貴重な地質学的遺産を目にすることができます。