現代のシルク生産

シルクは蚕の繭から受けられる糸から作られます。蚕の飼育には特殊なの注意と努力が必要とされています。

蚕の幼虫は、23~25度の温度で孵化します。大規模な養蚕場では、適切な温度と湿度が保たれた特別な保育器に卵を入れます。卵から長い毛に覆われた黒褐色の約3mmの小さな幼虫が生まれるまでには8~10日かかります。

孵化した毛虫は24-25度に保たれ、よく換気された部屋の餌箱に移されます。食欲旺盛な幼虫には、新鮮な桑の葉だけを与えなければなりません。20-25度以下の環境では、幼虫の発育は約1ヶ月で終了し、温度が高い場合は、発育はより速くなります。成長した幼虫は、長さ7-8 cmに達し、小指ほどのの太さになります。

幼虫が十分に成長すると、蚕は藁箱の中に入れられ、繭を作ります。蚕は、空気に触れるとすぐに固まった絹糸になるねばねばの物質を作ります。繭は、下唇の下の小さな突起にある、いわゆる蚕の絹腺によって形成されます。

芋虫は適当な支柱を見つけると、すぐにそれに登って繭を作り始めます。小枝にしがみついて頭を前後左右に揺さぶり、下唇がさまざまな周囲に触れます。やがて、周りには太い絹糸の網が張り巡らされますが、それは構造体の骨組みに過ぎません。骨組みが完成すると、毛虫は中に忍び込みますが、その間も絹糸が空中で毛虫を支え、本当の繭を取り付ける場所となります。その後、糸を出して、毛虫は素早く頭を回転させて本格的に繭糸を作り始めます。繭を一周するには4cmの絹糸が必要で、繭全体で800mから1km、時にはそれ以上の長さが必要です。繭を作るためには、幼虫は2万4千回頭を振らなければなりません。

繭作りは約4日かかります。疲れ果てた毛虫は絹のゆりかごの中で眠りにつき、そこで蛹になります。人の手で回収された繭の中の蛹は蒸して殺し、繭を熱湯に入れ、糸を丁寧に巻き取ります。1つの繭から採取される糸の長さは350~1000mにもなります。

熱を加えることで、絹糸は光沢を失いますが、絹糸は、セリシンで処理することでまた光沢を得ます。その後、染められ、絹織物が作られます。